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2006年12月 8日 (金)

『マークスの山』高村薫

以下は、2006年6月6日に書いたものですが、ここに再録しておきます。

『レディ・ジョーカー』がおもしろいという情報をネットで読み、図書館に向かったのだが、どういうわけか、『レディ・ジョーカー』より先にこの『マークスの山』を読んだ方がいいのではという気がして、この本を手に取った。後にわかったことだが、この『マークスの山』と『照柿』、『レディ・ジョーカー』は、合田刑事物の3部作だったらしく、順番としては、正解だったようだ。ちなみにこれは、直木賞受賞作品である。

 物語は、16年前の南アルプスで起きた殺人事件が発端である。その事件は解決済みだったはずなのだが、16年後、東京で連続殺人事件が起こった。その連続殺人事件を捜査して行くうちに、何も関係のない事件だと思われていたものが、徐々につながって行く。

 事件を地道に捜査して行く警察の様子が克明に描かれている。警察だけでなく、検察や公安といった組織の内部事情が、日頃ほとんど公にされていないだけに、なるほどそういう世界なのかと唸らせてくれる。ただ、小説の中では、警察の組織が複雑で、親切な説明が無いため、内部の相互関係や、多人数の刑事たちの人間関係がいまいち分かりにくかった。

 犯人については、ネタバレにならない程度に書いておきたいが、まずなんと言っても犯行の動機があまりにも希薄である。それとも、元々動機無き犯罪者として描こうとしたのだろうか?

 それから、まだある。犯人が恐喝に利用した情報を一体どこから仕入れてきたのか、ほとんど書かれていないのではないだろうか?

 そもそも、犯人像についての記述が少なく、存在感が希薄で、この点、迫力に欠けたのは否めないだろう。

 高村薫の 作品を読んだのは初めてであるが、こつこつと積み上げて書かれたような重厚感には、圧倒された。次は3部作の2作目、『照柿』に行きたいところだが、ネッ トでの評判では、面白いというよりは、読むのに多少根性がいるとか書かれているので、『レディ・ジョーカー』に行きたいと思っている。


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